わが子がもぐもぐ、ぱくぱくと離乳食を食べている姿はとても愛らしいものですよね。離乳食の時間が毎日の楽しみというお母さんも多いのではないでしょうか。
ところが、赤ちゃんの口元をふと見ると赤くなってかゆがっている・・・!
お母さんはとても心配になることでしょう。
赤ちゃんは胎内にいたときはあらゆる刺激から守られてきました。ところが生まれてから赤ちゃんの肌は、空気の乾燥やほこりや食べ物などいろんな刺激にさらされています。
乳幼児は皮膚が薄く、皮脂分泌量が圧倒的に少ないため、「乾燥しやすい・かぶれやすい・炎症を起こしやすい」という特徴を持っています。
赤ちゃんが離乳食で口元が赤くなってしまう原因は大きく分けて2つあります。
慌てず慎重に対処してあげましょう。
離乳食で赤ちゃんの口元が真っ赤に!これってアレルギー?
赤ちゃんが離乳食を食べて、口元が赤くなってしまう原因は大きく分けて2つあります。
2つとは、
- 接触性皮膚炎
- 食物アレルギー
というものです。
接触性皮膚炎の場合
口のまわりは外からの刺激を受けやすく、特に炎症を起こしやすい場所です。
そのため食べ物にアレルギーがなくても、口元が赤くなったりポツポツの湿疹がでてしまうことがあります。
こういった口のまわりのかぶれは、アレルギーではなく炎症であるといえます。いわゆる「接触性皮膚炎」と呼ばれるものです。
こういった口元の炎症の場合、食べ物が触った部分やその周りの皮膚だけが赤くなるのが特徴です。
食べ物の刺激で炎症がでていますので、炎症の部分を濡らしたガーゼで拭き取ってあげたり、かゆがるようなら冷やしタオルや保冷剤を当ててあげることで時間がたつと症状が良くなります。
また、果物や野菜についた残留農薬や化成肥料の刺激で赤みが出る場合もあります。
残留農薬を減らす方法は、酢水や塩水で浸けてから洗い流す方法や、野菜専用の安全な洗浄剤を使用して洗い落とす方法などがあります。
野菜や果物の洗浄剤とは、植物性のものやホタテの貝の成分から作られたものがありますが、市販で手に入りにくい場合はインターネットの通信販売で探してみると簡単に購入することができます。
なお、化成肥料は果物や野菜を育てる段階で使用して吸収していますので、洗い落とすことはできません。
そのため、離乳食作りには有機肥料で作られた野菜を選んだ方が安心といえます。
参考 離乳食の野菜の選び方は?オーガニックが良い理由は?どこで買うのがおすすめ?
食物アレルギーの場合
一方、炎症ではなく食物アレルギーの発疹は、口元だけでなく体内の抗体が反応して全身に発疹がでることがあります。
その他の症状として、
- 吐き気や下痢などの消化器症状
- 咳や呼吸困難、喘息発作などの呼吸器症状
- 口の中のイガイガ、のどや舌がピリピリするなどの口腔粘膜症状
- 血圧が下がる、意識がぼんやりするなどのアナフィラキーショック症状
があります。
(参考 http://www.sotobo-child.com/how/how7.html)
口元の赤みだけではなかなか判断に自信が持てないというお母さんは、小児科か皮膚科へ行って診察してもらったほうが安心でしょう。
離乳食で口元のアレルギーが出やすい食べ物はある?
それでは、具体的にどんな物が口元がかぶれやすい食べ物なのでしょう。
ほうれん草やトマトやバナナは、栄養価の高い野菜、果物として離乳食メニューでも人気がありますが、「ヒスタミン」という化学物質が多く入っているため炎症が起きやすいと言われています。
加熱処理してもその成分は分解されないようですので、初めて食べさせる際は注意深く様子を見てあげましょう。
それから、めんつゆやお醤油などの調味料の塩分でもかぶれてしまうこともあります。私の子供は味噌汁を食べる際にいつも口まわりが赤くなっていました。
大豆のアレルギーかと疑いましたが、小児科で診てもらったところ、塩分の刺激による炎症だと言われました。
ガーゼタオルをいつもすぐ手元において、口についたらすぐに拭けるように離乳食を食べさせていたことを思い出します。
赤ちゃんの「口腔アレルギー」にも注意!
そのほか、「口腔アレルギー」いうものがあります。
口腔アレルギーとは、花粉症の人がフルーツ、野菜、ナッツなどを食べた時に、口の中や唇の違和感やしびれ、顔面の腫れや呼吸困難が発症することです。
これは花粉症を引き起こすたんぱく質(アレルゲン)の構造がこれらの植物性の食べ物に含まれるたんぱく質の構造と似ているため、これらの食べ物を摂取すると口腔内でアレルギーが起きてしまうものです。(これを交差反応と呼びます。)
<花粉と交差反応が出る食べ物>
・スギ花粉 → トマト
・シラ・カンバ → りんご、もも、さくらんぼ
・イネ科 → トマト、スイカ、メロン、オレンジ
・ヨモギ・ブタクサ → メロン、スイカ、セロリ
口腔アレルギーは花粉症の人だけでなく、喘息がある人や薬剤アレルギー、ゴム製品アレルギー、食物アレルギーがある人にも起こりうる症状ですので、注意が必要です。
交差反応が出る果物や生野菜のアレルゲンは熱に弱い特徴を持っているため、加熱すれば食べることができるものもあります。
(参考 http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/about/oas.html)
赤ちゃんに初めてあげる際にはごく少量、ひとくち食べさせて様子をよく見てから食べさせていくと良いでしょう。
赤ちゃんの口元が赤くなったらどのように対応すればよい?
まだ上手に食べ物を口に運ぶことができない赤ちゃん。口元にはどうしても食べ物がついてしまいます。
食べ物が付いたときに口のまわりがただれていると、そこから食べ物の成分が入ってアレルギーを起こすことがあります。
そのため、口まわりのケアは食事の前から行っておくのがポイントになります。
食事前の口元のケア
ワセリンや低刺激の保湿クリームを保護のため口元に塗っておきましょう。
ワセリンは皮膚の表面に保護膜を作る働きをします。
もしくは保湿クリームなどを塗って油分を補っておくと、角質層の水分の蒸発を防ぐことで皮膚の乾燥を防ぎ、外部の刺激からお肌を守ってくれます。
食後の口元のケア
食後は湿らせたティッシュやコットンでやさしく口元をふいてあげます。
もちろんごしごしふき取るのは厳禁です。やさしく軽く押しながら拭くのがコツです。
押し拭きをした後は、再びワセリンか保湿クリームを塗って油分でお肌にフタをしてあげましょう。
こういったスキンケアをせずに放っておくと、かゆみで赤ちゃんが口を掻いて傷になってしまったり、皮膚がガサガサになってしまい、ステロイド剤など強い薬を使用しなければいけなくなる可能性もあります。
敏感な赤ちゃんのお肌ですので、こまめにケアをしてあげてくださいね。
離乳食を与える時に注意すること
また、今後離乳食をあげる際はどんなことに気を付けたら良いでしょう。
特に、新しい食材に挑戦する時には注意が必要ですので、以下を参考に進めていったくださいね。
初めてあげる食べ物は1食1種類ずつ
万が一アレルギー症状がでた場合に、その食べ物を特定しやすいように1種類ずつ様子をみながら与えていきます。
口周りが赤くなったり、体になんらかの変化があればアレルギーの可能性がありますので、心配な場合は小児科で診てもらうようにしてください。
初めての食べ物は時間に余裕がある時にチャレンジ
アレルギー反応は食べてから1~2時間後に症状が出ることが多いため、食事の後におでかけする用事などがある時などは避けましょう。
また、午前中など余裕がある時間にチャレンジすれば、何か変化があったときにすぐに病院に行くことができます。
初めての食べ物はひと口ずつ様子を見ながら
ひと口食べて口のまわりに湿疹がでないか、赤くならないか注意しながら与えていくと良いでしょう。
赤ちゃんの様子をよく見ながら、少しずつ新しい食べ物にチャレンジしていきましょう。
まとめ
赤ちゃんのお肌はとても敏感で繊細です。乾燥しやすく、バリア機能も弱いためさまざまな刺激を受けやすくなっています。
食前、食後のこまめなケアは少し手間がかかってしまいますが、炎症を起こしてしまってから強いお薬を塗る事よりも、日々のスキンケアで予防をしてあげる事が大切です。
そして、赤ちゃんはお母さんに触れられることが大好き!
スキンシップのひとつとして、ぜひ毎食のケアをしてあげてくださいね。
赤ちゃんとのきずなが深まる事間違いなしです。
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