赤ちゃんの離乳食作りをしている時期は、気が付いたら一日中キッチンに立っていた!という経験はありませんか?
離乳食は進み具合によって食材の種類が限られていますし、下ごしらえに手間がかかり、気を遣うものですね。
それに加えて大人の食事を作らなければいけないお母さんはとても忙しく毎日大変です。
そこでおすすめなのが、「取り分け離乳食」
取り分け離乳食とは、大人の献立と同じ食材を使用したり、調理途中のものを取り分けて離乳食に利用する事です。
大人の食事を作る「ついで」の感覚で一緒に完成させてしまう、取り分けメニュー。
忙しい現代のお母さんにはぜひ取り入れて、おいしい手作りごはんを赤ちゃんに食べさせてあげてくださいね。
取り分けのコツやおすすめのメニューをご紹介します!
離乳食の取り分けはいつから?目安はある?
現代にはたくさんのベビーフードが市販品として売られていたり、離乳食メニューが用意されているお店もあります。
離乳食に対して、「赤ちゃんのための特別な食事」というイメージが強くあるのですね。
しかし昔の時代には、離乳食というものはありませんでした。
大人の煮物を潰したり刻んであげたり、お味噌汁の柔らかく煮込んだ野菜を食べさせていたのです。
このように、「子供も一緒に食べられる食事」を作る事を考えると、「子供のためだけの特別な食事」を作る事より、お母さんの気持ちはとても楽になるのではないでしょうか。
実は取り分け離乳食は、初期からでもすぐに始められます。
大人用に味付けをする前に、食材を取り出しておくことがコツです。
例えば、カレー用に柔らかく煮込んだニンジン、ジャガイモ、玉ネギを味付けする前に取り出し、潰して離乳食にそのまま使用することができます。
しかしながら初期は離乳食に使用しやすい食材の種類は限られています。
脂の多いお肉やクセの強い野菜はまだ使用できません。
そのため、本格的に取り分け離乳食を活用していくのは中期以降がおすすめです。
離乳食中期以降では鶏肉などのお肉を使用することができるようになります。
まずは鶏のささ身肉など脂の少ない部位から始めますが、徐々に使用できるお肉の種類が増えていきますのでメニューのバリエーションが広がり、取り分けがしやすくなっていきます。
離乳食の大人からの取り分け!おすすめメニューは?
大人の料理の途中で取り分けられるおすすめのメニューを離乳食期別にご紹介していきます。
参考に家庭でもおこなってみて下さい!
初期(ごっくん期)におすすめの取り分け離乳食メニュー
離乳食初期は、赤ちゃんがお母さんのおっぱいや粉ミルク以外の食べ物を知るとともに、ドロっとしたものを飲み込む練習をする時期です。
【大人のスープ用野菜の取り分けメニュー】
- 赤ちゃんの食べやすいニンジン、玉ネギ、かぼちゃやブロッコリーなどの野菜を大人用の大きさにカットして煮込みます。
- 柔らかくなったら使用する分の野菜を取り出し、潰す、裏ごしなど必要な下ごしらえをします。
- 最後に、それぞれ野菜を製氷皿のマスの中に入れて凍らせれば出来上がりです!
必要な時に必要な分だけ電子レンジでチンすれば、お粥に混ぜたりスープにしたり、すぐに使用することができます。
そして野菜が残ったスープにコンソメを入れれば、大人用の野菜スープのできあがり。
カレーのルウを入れればカレーに、味噌を溶けばお味噌汁に。
簡単で毎日でも作れますね!
中期(もぐもぐ期)におすすめの取り分け離乳食メニュー
離乳食中期は赤ちゃんが食事をするようになって2か月ほど経ち、だんだん食べ物に慣れてきたころです。
硬さの目安は、赤ちゃんが舌でつぶせる柔らかさかどうかです。
【鶏ささみのクリーム煮込み】
- 鶏のささみ肉を茹でてほぐし、すり鉢ですり潰しておきます。
- 赤ちゃんの好きな野菜をみじん切りにして煮込み、スープと野菜を半分別の鍋にうつします。
- 赤ちゃん用には粉ミルクとささみを入れてひと煮たちさせます。
少量の片栗粉を溶かすとトロミがつき、赤ちゃんも食べやすくなります。
大人用の鍋には牛乳を入れコンソメなどで味付けをします。
これで、見た目もそっくり、離乳食と大人用の鶏ささみのクリーム煮込みが同時に完成です。
後期(カミカミ期)におすすめの取り分け離乳食メニュー
離乳食後期は1日3回食になっていく頃です。
赤ちゃんが喜んでごはんを食べていることが大切です。
赤ちゃんが歯茎で潰せるかどうかが硬さの目安となってきます。
【溶き卵入り味噌煮込みうどん】
- 鶏ひき肉、または豚ひき肉を湯通しをして脂を落としておきます。
- お好みの野菜を細かく切り、煮込みます。柔らかくなったらうどんの麺を入れます。
- 赤ちゃん用に別の鍋に取り分け、必要ならうどんをさらに柔らかく煮込みます。溶き卵を少量流し入れて良く火を通します。そして少量の味噌を入れ味付けし完成です。
うどんを食べやすいように細かく切りますが、この時よく洗った調理ばさみを使用すると便利です。
大人用に味噌で味付けをして少し煮込み、溶き卵を落とし完成です。
豚肉は脂身が多い部位だと赤ちゃんの体に負担が大きいため、低脂肪高たんぱくのヒレ、柔らかみのあるモモやロースなど赤身の部分を使用します。
お肉は長時間煮込むと硬くなってしまいますので、煮込みうどんには柔らかなひき肉がおすすめです。
完了期(パクパク期)におすすめの取り分け離乳食メニュー
離乳食完了期になると、栄養の大部分を母乳や粉ミルク以外から摂るようになり、やがて離乳が完了していきます。
手づかみ食べや前歯で噛み切れるようなものを用意してあげましょう。
【手づかみ食べOK!ふわふわお好み焼き】
- 大人用と赤ちゃん用に生地を分けて作ります。
- 卵、小麦粉または米粉、山芋、かつおだしなどで生地を作ります。
赤ちゃん用→アレルギーがないことを確認した食材を使用し、混ぜます。 - 好みの野菜も入れます。
- フライパンで大人用と同時に焼きます。
出来上がったら赤ちゃんの分は手づかみ食べがしやすい大きさにカットします。
大人用には、豚バラ肉や紅ショウガ、揚げ玉などお好みの食材を入れてください。
大人用にはソースをそのままかけますが、赤ちゃん用にはお湯で溶いて薄めたソースかケチャップを少量塗ってあげるとおいしく食べられますよ。
なお、市販のお好み焼き粉は添加物や糖分、塩分が多く赤ちゃんの体には負担となっていまいますので避けるようにしましょう。
使用するなら、1歳から使用できるものを選んで使ってください。
味付け後に離乳食を取り分ける時のコツや注意点は?
赤ちゃん用に取り分ける場合は、味付けをする前の段階で取り分けるのが基本ですが、味付け後に取り分ける際はコツがあります。
離乳食の時期によって注意点は異なりますので気を付けましょう。
離乳食初期
味付けを必要としない為、味付け後には取り分けをしないほうが良いでしょう。
離乳食中期
基本的にはまだ味付けは必要ありませんので、味付け前に取り分けるのがおすすめです。
少量の塩、バター、砂糖を使用している大人の料理であれば、味をお湯で軽く洗い落としてから食べさせます。
離乳食後期
ごく少量の醤油や味噌が使用できます。
味噌汁など汁物はお湯を多めに足し食べさせます。
いずれも味が強くしみ込んでいる物は、取り分けられません。
また、黒砂糖やはちみつは1歳未満にはあげてはいけませんので、これらを使用している料理は取り分けないよう注意しましょう。
まとめ
赤ちゃんにとって離乳食を食べる時間は、単にごはんを食べるだけではなくお母さんや周りの人とのコミュニケーションの時間でもあります。
取り分け離乳食は、子供だけの特別なごはんではなく、お母さんやお父さん、兄弟や時にはおじいちゃんおばあちゃんなど、自分が家族の一員であるということを感じる大切な時間なのです。
取り分け離乳食は「手間が省けて時短になる」こと以上に、赤ちゃんにもお母さんにも素晴らしい時間をもたらしてくれるでしょう。
みなさんも楽しんで、手作りの離乳食作りをしてくださいね!
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