生後5か月前後になり、首がしっかりとしていて腰もすわってくると、そろそろ「離乳食のスタート」が気になってくる頃ですね。
可愛いベビー食器や離乳食用の調理器具を探している方も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの離乳食を開始する際に気になるのは、アレルギーについてです。
現在では離乳食の開始時期には遅めが良いと言われたり、一方で早いほうが良いという意見もあります。
これから始めようとしているお母さんにとっては悩んでしまうところですね。
離乳食の開始時期について詳しくまとめてみました。
離乳食の開始を遅らせるとアレルギーにならないって本当?
離乳食は、おっぱいやミルクを「飲む食事」から食べ物を「噛んで食べる食事」へと移行していく練習の期間であると言えます。
一般的に、離乳食の開始時期は生後5~6か月頃が良いとされています。
しかし開始するには発達に合ったタイミングがありますので、わが子の発達の様子をよく見て判断していきましょう。
一般的な離乳食を開始する目安は?
離乳食を開始するタイミングは、一般的には以下のように言われています。
おすわりができるようになったら
食べ物を噛んで飲みこむには、上体をきちんと起こしていられることが必要です。
首がしっかりとすわり、さらに背もたれに支えられてでもいいので、自分でおすわりできるようになるのが目安です。
よだれが増えてきたら
首が座って上体を起こしている時間が長くなると、よだれが口からたくさん流れ出てくるようになります。
赤ちゃんは上下のくちびるを閉じて「ゴックン」と自分で飲み込む練習をして、口の機能がぐんと発達してきます。
大人の食事を欲しそうにしていたら
おすわりができるようになり、視野がぐんと広がると、おうちのなかの様々なものに興味を持ち始めます。
ママやパパがご飯を食べている姿を見て「おいしそう」という表情をしたり、よだれを垂らしたり、口をもぐもぐする様子が見られたら、赤ちゃんが食べることを要求し始めたサインです。
一般的にはこういった様子が見られるようになると、離乳食へ第一歩を踏み出すタイミングとなります。
赤ちゃんは生後5~7か月になると、おっぱいを本能的に吸う動きである「哺乳反射」がだんだん弱くなってきます。
そのため、スプーンなどを受け入れやすくなってくる時期であるそうです。
さらにその頃から「食べてみたい」という食への興味を持ち始める時期になるので、やはり目安である生後5~6か月頃が比較的すんなりと離乳食を進めていくにはちょうど良い時期でなのですね。
離乳食の開始を遅らせるとアレルギーにならない?
と
ころがアレルギーの観点から離乳食の開始時期について見てみると、開始時期を遅くすると良いといわれていたり、早いほうが良いという研究結果もあります。
昔に比べると、離乳食を開始する時期は遅くなっている傾向があるようです。
引用:厚生労働省
こちらは平成17年の少し前のデータしか残されていませんでした。
別の調査で、「メグミルク」が平成26年に離乳食の開始時期に関して調査した結果がありました。
引用:PR TIMES
こちらの調査では、母乳だけで育児している方の約4割は生後7ヶ月で離乳食を開始したという結果がでています。
離乳食をガイドラインの目安より、遅く開始している理由としては「アレルギーが心配だから」という方がほとんどでした。
こちらの調査では、赤ちゃんのアレルギーが心配で離乳食の開始時期を遅くした方が2人に1人という結果がでていました。
家族にアレルギーの人がいる方は特に慎重にゆっくりと離乳食を開始しているようでした。
では、実際のところ離乳食を遅くするとアレルギーになりにくいのでしょうか?
離乳食の開始時期を遅くするメリット・デメリットをまとめて調べてみました!
離乳食の開始を遅くするメリットとは?
アレルギーの発症を防ぐ
免疫学の医学博士である西原克成氏によると、赤ちゃんの発達段階を考えずに早くから離乳食を与えてしまうと、アトピーやアレルギーを引き起こしてしまうという研究結果を著書の中で紹介しています。
アトピーやアレルギーを防ぐため1歳まではおっぱいやミルクを与え、1歳を過ぎてから離乳食を進める方法(=西原式)を勧めています。
この方法を実践している方も多いようで、ご存知の方もいるかもしれませんね。
生まれて間もない新生児には胃酸はなく、タンパク質分解酵素の分泌もほとんどありません。
乳児期を通してだんだん分泌量が増えていきますが、十分に分泌されるようになるのは1歳から2歳頃だと言われています。
母乳以外の異種タンパク質は腸管から分解されないで丸のまま吸収されてしまうので、抗体反応が起きアレルギーが起こるという仕組みです。
その為、西原式では赤ちゃんの腸や免疫システムがしっかりとしてくる最低でも1歳以降に離乳食を開始したほうがよいとされています。
また、赤ちゃんの腸は未発達で、生後6ヶ月頃の腸は網目がたくさんあいている状態だと言われています。
腸で吸収されずに網目からそのまま吸収されると、こりらも抗体反応が起きてアレルギーが起きる原因になるとされています。
生後8ヶ月頃でようやく腸の網目も細かくなり、ある程度のものは侵入しないように防いでくれるようになります。
鼻呼吸を継続しやすい
また、離乳食が遅めに開始すると鼻呼吸を継続しやすくなるというメリットがあります。
ちょっと意外ですが、呼吸法とアレルギーは深く関係があるのです。
赤ちゃんはもともと鼻呼吸でおっぱいやミルクを上手に飲むことができますが、早いうちに離乳食を食べる習慣をつけているとだんだん口呼吸へと変わってしまいます。
哺乳動物の特徴である「おっぱいを吸う」という行為を十分に行うと、いざ離乳食を食べるときに自然に咀嚼ができるようになります。
よく噛むことで呼吸筋肉が鍛えられ、鼻呼吸がしやすくなるのです。
鼻には空気清浄機、加湿器、滅菌器としての機能があると言われます。鼻に空気が入るとそのかすかな刺激で鼻水が絨毛上皮に分泌されます。
鼻水はアレルギーや病気の原因であるばい菌、ほこり、ダニの殻を捕らえて流しだしてくれるのです。
鼻水や唾は分泌型の免疫タンパク質が流れており、身体にとってとても大切な成分であるといえます。
(参考 http://www.yorozukosodate.com/entry/nishiharashiki_ikuji__seven_points_3)
このように、あまりにも早い離乳食の開始はリスクが高いので避けたほうが良いでしょう。
ただし、1歳以降など遅めに始めるには自己判断をせずに、必ず信頼できるかかりつけの小児科の先生や専門医の方に相談をしましょう。
離乳食の開始を遅くするデメリットとは?
栄養不足になる心配がある
赤ちゃんは生まれてくるときにお母さんの体から十分な鉄をもらってきます。
そのため生後5か月頃までは鉄が不足するということはありません。
しかし、ちょうどその頃から始まるはずの離乳食の開始が遅れると、食べ物から鉄分を摂取する機会や量が少なくなってしまい、鉄分不足が心配になると言われています。
鉄分は、脳(中枢陣系)の発達にとても大切な役割を果たす栄養分ですので、不足してしまうと体に影響が出る可能性があります。
鉄分に限らず、1歳を過ぎる頃には食べ物から摂る事ができる栄養がおっぱいやミルクだけでは補えなくなってきますので、開始時期を極端に遅くすることは栄養面で心配があります。
アトピーや喘息になるリスクが高くなる?
また、一部では開始時期があまりにも遅くなると2歳の時点でアトピーや喘息の罹患率が高くなるという研究結果もあるようです。
そして、離乳食の中でも特に気を遣うのが食物アレルギーの三大食品(卵、小麦粉、乳製品)ではないでしょうか。
その三大食品のうちの一つ、卵のアレルギーに関して最近、興味深い研究結果が出ているようです。
ランダム化比較試験
<対象>
生後4か月までにアトピー性皮膚炎を発症し、食物アレルギーになる可能性が高いとされる乳児121人が対象
<試験方法>
121人のうち、60人は生後6か月から固ゆで卵の粉末50ミリグラム(ゆで卵0.2グラムに相当)を、9か月から250ミリグラムに増やして1歳まで食べさせました。
残り61人は生後6か月から卵の入っていないかぼちゃの粉末を食べさせました。
<結果>
その結果、1歳の時点で卵の粉末を食べない子供のうち23人(38%)が卵アレルギーを発症したが、食べた子供で発症したのは5人(8%)にとどまり、発症率を8%に減らすことができました。
この研究から、アレルギーが心配な物でも少しずつ始めることで発症を抑えることができるということが結果としてでています。
ただし、こちらも自己判断で行わずにかかりつけ医や専門医に相談し指導をしてもらうことが大切です。
まとめ
離乳食の開始時期はインターネットで検索しただけでも様々な研究結果があり、お母さんはどうしたらいいのか悩んでしまいますよね。
ただ、必要な知識は学びつつ、アレルギーを必要以上に怖がらずに離乳食を赤ちゃんと一緒に楽しむことは赤ちゃんの心の成長にもとても大切です。
子育てをしていると、時には周りの赤ちゃんとタイミングが違うこともあるでしょう。
しかし、大切なのは「わが子のタイミング」です。
他のお子さんに合わせる必要はありませんよ!
わが子をしっかり見つめ、楽しんで離乳食の時間を過ごしてくださいね!
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