暑い夏も終わり、秋になると旬の生さんまがスーパーで手に入る時期になりますね。
大根おろしやすだちを添えて食べる脂ののった秋さんまは格別の味です。
そんな秋の味覚のひとつであるさんま。
子どもにも食べさせてあげたいけれど、小骨も多くいつから与えていいか悩みますよね。
離乳食としてさんまはいつごろから食べられるのか、食べさせ方や注意点などをまとめました。
赤ちゃんの離乳食でさんまはいつから?
赤ちゃんにはさんまはいつから与えていいの?
赤ちゃんの離乳食では、離乳食後期の生後9~11ヶ月頃からさんまを食べさせていくことができます。
離乳食はひとつひとつステップを踏んで進めていきますが、アレルギーなどの観点から魚は離乳食の時期に合う種類を与えていく必要があります。
- まずは白身魚(生後5~6か月頃の離乳食初期から)
- 赤魚(生後7~8か月頃の離乳食中期から)
- 青魚(生後9~10か月頃の離乳食後期から)
さんまは青魚に分類されますので、離乳食後期から少しずつ与えることが可能になります。
しかし赤ちゃんの消化器官や歯の生え方は個人差が大きいものです。
無理のないよう、よくわが子の離乳食の進み具合をみてからチャレンジしていきましょう。
さんまの栄養は?赤ちゃんにもおすすめ?
さんまには子供の成長に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。
タンパク質、カルシウム、マグネシウム、リン、など骨や歯の形成に必要な栄養素、また子供の脳の発達をサポートするDHA(ドコサヘキサエン酸)、鉄分がたくさん含まれています。
野菜などからは摂りにくいビタミンB12、皮膚を強くするビタミンAも含まれており、栄養がぎゅっと詰まっている優れた食材です。
とはいえ、一度にたくさん食べたり、毎日食べれば良いというものではありません。
日頃から栄養バランスを考え、肉、魚、野菜や豆類など、特定のものに偏らずにバランス良く食べることが子供の成長にとって大切になります。
赤ちゃんの離乳食ではさんまのアレルギー症状に注意!
栄養豊富なさんまですが、気を付けなければいけないポイントがあります。
さんまやサバ、アジなどに含まれる遊離ヒスチジンといわれるアミノ酸がヒスタミンというアレルギー物質に代わる事でヒスタミン中毒という症状を引き起こすことがあります。
ヒスタミン中毒の主な症状は、食べた直後から1時間以内に症状が出る場合が多いです。
- 口周りが赤くなる
- 耳たぶが赤くなる
- じんましん
- 嘔吐、下痢
- 頭痛
などが起こるようです。
重症の場合は、呼吸困難や意識不明になることもある怖いものです(死亡事例はありません)
参考:東京都福祉保健局
ヒスタミンは常温で長時間に放置すると増えることが分かっていますので、なるべく買ってきてすぐに冷蔵庫に入れるようにしましょう。
また、買ってきたその日に食べる、冷凍しておくなどなるべく新鮮な状態で食べることが必要です。
冷凍の場合、凍っているときにはヒスタミンは増えませんが、解凍している時に増えてしまいますので、解凍したその日に食べましょう。
ヒスタミンが増えると、煮ても焼いてもヒスタミンはなくなりません。
一度古くなってしまったさんまは赤ちゃんに食べさせない方が安心ですよ。
離乳食にも使いたい!おいしいさんまの見分け方
新鮮なさんまの見分け方は、
- さんまの下あごの先端が鮮やかな黄色のもの(時間が経つにつれ茶色く変色してしまう)
- 丸々と太っているもの(充分に脂がのっている)
- 目が黒く澄んでいるもの
これらのポイントをチェックして新鮮なさんまを購入してみてください。
赤ちゃんの離乳食でさんまを与える時のおすすめの食べさせ方や注意点は?
赤ちゃんに魚を食べさせる際に心配になるのが魚の骨ですよね。
また、硬い皮の食感を嫌がる赤ちゃんもいます。
赤ちゃんはまだ消化器官が未熟ですので、生のお刺身を与えることはできません。
必ず火を通して調理したものを与えてください。
赤ちゃんの離乳食さんまの下ごしらえ方法
離乳食に使用するさんまの下ごしらえの方法を紹介します。
さんまには内臓や小骨などがあり下ごしらえが少し大変かもしれませんが、一度さばき方や下処理方法が分かればスムーズに短時間でできるようになりますよ。
さんまの下ごしらえ
- さんまの頭と尾を切り落とし、はらわたから肛門まで切って開く
- 内蔵と血合いを取り除く
- きれいに水洗いして、水分を拭き取る
- 三枚におろす
- はらわた側についている小骨を包丁ですき取り、ヒレの付け根も取り除く
- 開いた身の中心部分にある、血合い骨を抜く。血合い骨の右側と左側の両方から斜めに包丁を入れたら、骨部分を引っ張るように血合い骨(小骨)を取り除く
- 残りの骨を骨抜きで丁寧に抜く
- 最後に、開いた身の皮を慎重に剥ぐ
▼こちらの動画でさばき方が見れますよ!
下ごしらえをした状態で冷凍しておけば、必要な時に解凍後すぐに調理することができますね。
赤ちゃんにおすすめのさんま調理法
では、離乳食で使用しやすいのはどういった調理方法でしょうか。
いくつかご紹介しますね。
つみれにする
お刺身のように3枚おろしにして、小骨を取り除き、たたいて丸め、小さなつみれ状にすると赤ちゃんも食べやすくなります。
お湯でゆでたり、スープの具材にするのもおすすめです。
つみれバーグも食べやすいと思いますよ。
お刺身を使用する
魚をおろすのが苦手なお母さんはスーパーでおろしてもらうか、最初からお刺身のさんまを買うと小骨や皮がなくそのまま調理できますのでおすすめですよ。
焼き魚にする
焼き魚にして食べさせたいときは、大人用では塩を振って食べることが定番ですが、赤ちゃんには塩気がきつすぎるため素焼きにしましょう。
素焼きしたさんまを、小骨と皮を丁寧に取り除きほぐしてフレーク状にすればそのまま調理に使用できます。
そのままでももちろん大丈夫ですが、ぱさぱさしていると赤ちゃんは食べにくいので、スープに入れる、お粥に混ぜる、とろみをつけるなど工夫をして食べやすくしてあげてください。
大人用にはポン酢や醤油をかけて食べれば余すことなくさんまを一尾食べきることができますね。
さんまの干物も塩気がとても強いため、離乳食には不向きです。
生のさんまを使用してください。
赤ちゃんにおすすめのさんま離乳食レシピ
ここで、さんまを使った離乳食のおすすめレシピをいくつか紹介します。
離乳食後期からおすすめ
秋刀魚のつみれ汁
■材料(1人分)
さんまのすり身 20g
にんじん 10g
玉ねぎ 10g
水 大さじ4
ベビー用だし 小さじ2弱
■作り方
- ボウルにさんまのすり身・みじん切りしたにんじん・玉ねぎを入れ、よくこねる。
- お好みの大きさに丸くし、よく茹でる。
- お皿に水大さじ4・ベビー用だし小さじ2弱・さんまのつみれを入れ、レンジ500wで40秒温めたら出来上がり。
食べにくい場合は片栗粉でとろみをつけるとつるんと食べやすくなります。
おうちにある野菜を入れて具沢山な味噌汁のようにして食べると体が温まり、寒い日におすすめの栄養満点メニューになります。
団子が大きい場合は4分の1に切るなど、食べやすく工夫してあげてください。
秋刀魚の野菜あんかけ
材料
秋刀魚 一枚
人参 1/5本
ほうれん草 一束
赤ちゃんだしの素 1/2袋
水 50ml
醤油 小さじ1
砂糖 小さじ1
塩 小さじ1/2
水溶き片栗粉小さじ1
■作り方
- ニンジンは食べやすい大きさに切る
- 鍋に水、赤ちゃんだしの素、ニンジンを入れて煮込む
- 茹でて細かくしたほうれん草と塩焼きしてほぐしたサンマを②に入れ煮る
- ニンジンが柔らかくなったら水溶き片栗粉を入れてとろみをつけて完成
レシピでは醤油や砂糖、赤ちゃんだしの素を使用していますが、さんまを塩焼きしていますので味が濃すぎないよう調整してください。
赤ちゃんだしの素を入れれば十分うまみが感じられますので、醤油や砂糖は大人用に最後の味付けとして使用するほうが良いかもしれません。
とろみがついて食べやすく、野菜もしっかり食べられるメニューです。
離乳食完了期以降のおすすめ
さんまのかば焼き風
■材料 (4人分)
さんま2匹
ショウガ汁1かけ分
小麦粉適宜
■ 【調味料】
みりん 小さじ1
醤油大さじ1/2
砂糖小さじ2
酒小さじ1
■作り方
- さんまを3枚におろし、3等分に切る。(1匹⇒6等分)
- 1のさんまにショウガ汁をふりかけておく。
- 2のさんまに小麦粉をまぶす。
分量外のサラダ油で揚げ焼きにする。 - 【調味料】をフライパンに入れ、3で揚げ焼きしたさんまに絡める。
味付けはお子さんの月齢にあわせてくださいね。
ご飯のお供に最適で、きっとたくさん食べてくれると思いますよ!
さんまバーグ
■材料
さんまのすりみ 300g
豆腐 150g(1パック)
片栗粉 大さじ1.5杯
味噌 大さじ1杯
人参 1/3本
すりおろししょうが適量(チューブ2㌢位)
サラダ油 適量
■作り方
- ビニール袋にさんまのすり身、すりおろしニンジン、豆腐、片栗粉を入れもみほぐす
- 混ざったらすりおろしショウガ、味噌少量ずつを入れさらにもみこむ
- スプーンですくった適量を手で簡単に成形して、少量の油を垂らしたフライパンに乗せる
- 両面を弱火で焼き火が通ったら完成
ハンバーグといえばお肉で作ることが定番ですが、魚をすり身にしてハンバーグにすると子供もパクパクと食べてくれるおいしいメニューになります。
手づかみ食べの練習にもなって良いですね。豆腐が入る事でふわふわ柔らかな食感になりますよ。
さんまの離乳食は冷凍保存もできる
こういったさんまを使った離乳食は冷凍保存することができます。
その際、調理した魚のみを冷凍すると電子レンジで解凍する際にぱさぱさになってしまいますので、魚を煮た時の汁や野菜のスープを足してから冷凍すると良いでしょう。
解凍する際は、冷蔵庫で長時間解凍しているとだんだんヒスタミン(アレルギー物質)が増えていきますので、調理する直前に電子レンジの解凍機能を使い短時間で解凍するようにしましょう。
冷凍用のタッパーや袋などに入れたり、ラップに包んで冷凍してください。
1週間ほどで食べる方が安心で美味しいですよ。
さんまの水煮缶は離乳食に使用してもいい?赤ちゃんも食べられる?
画像引用:http://purebands.blog136.fc2.com/blog-entry-2877.html
スーパーなどので簡単に手に入るさんまの缶詰。
加圧状態で加熱しているため骨まで柔らかいのが特徴です。
魚を丸々食べられるので、カルシウムなどの栄養を一度にたくさん摂る事ができます。
1年を通して手に入ることができ、蓋を開けるだけですぐに食べられるので、とても便利ですよね。
このさんまの缶詰ですが、赤ちゃんに与える際には注意点があります。
それは「味付け」です。
蒲焼きや味噌煮などが売られていますが、どれも味付けは濃く、赤ちゃんのご飯には向いていません。
離乳食で使用する際は「水煮」を選び、「塩抜き」の下処理をしてから使用するようにしましょう。
さんまの水煮缶の下処理方法
<さんまの水煮の下処理方法>
- 汁気を切ったさんまの水煮に熱湯を回しかけ塩を抜く
- 軽くほぐし、骨は取り除く
下処理したものは、先ほどご紹介したような食べさせ方をしてあげると良いですね。
お粥、汁物、煮物などにも使えますよ。
さんまに限らず魚の缶詰を使用する際には、添加物や産地(国産品であるかどうか)などもチェックしてみましょう。
添加物はやはり赤ちゃんには食べさせたくないものです。
すぐに体に影響が出ることはありませんが、悪玉菌のエサになるので腸内環境を悪くする原因になることもあります。
海外のものは、どんな環境で作られているのか信用しきれない方も多いでしょう。
はやり国産の物が安心ではないでしょうか?
まとめ
今が旬のさんまについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
私たちが暮らす日本には四季折々の食材があり、それぞれの季節にその時旬のものを頂くというのは、この上ない幸福感を感じることができます。
いろんな味や食感を学んでいく大切な離乳食の時期、栄養豊富な季節の食材を取り入れて、ぜひ家族みんなで楽しみたいですね。
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